高松地方裁判所 昭和41年(わ)301号 判決 1967年3月07日
本店所在地
高松市五番町四番地の一五
池田建設工業株式会社
右代表者代表取締役
池田宏
本籍
香川県小豆郡土庄町小部甲三一二の一
住居
高松市五番町一四の一
池田建設工業株式会社代表取締役
池田宏
大正三年一二月二五日生
右被告人らに対する法人税法違反被告事件につき当裁判所は検察官山田十雄出席のもとに審理し、次のとおり判決する。
主文
被告池田建設工業株式会社を罰金百万円に、被告人池田宏を懲役四月に各処する。
但し被告人池田宏に対しこの裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告会社は高松市五番町四番地の一五に本店を設け、土木建築請負業、石材採掘販売等を営業目的とする資本金二、〇〇〇万円(昭和三八年九月末の資本金三〇〇万円)の同族会社である株式会社であり、被告人池田宏は右会社の代表取締役として同会社の一切の業務を統轄主宰しているものであるが、同被告人は右会社の業務に関し、法人税を免れる目的をもつて労務費、燃料費等の架空経費を計上して、収益の一部を正規経理より除外し、架空人名義等で銀行に預金をなし、またはこれら預金の利息を脱洩する等の不正の方法により、右会社の昭和三七年一〇月一日から昭和三八年九月三〇日迄の事業年度における実際の所得は一八、二六三、五四六円であつたのにかかわらず、同年一一月三〇日所轄高松税務署長に対し、所得は六、四〇〇、五四一円である旨の虚偽の所得申告をなし、もつて同会社の右事業年度の法人税四、五〇六、七二〇円を逋脱したものである。
(証拠の標目)
一、被告人池田宏の当公廷の供述
一、証人奥山清、田頭稔の当公廷の各供述
一、川口弘明、田頭稔、池田宏の検察官に対する各供述調書
一、池田宏(五通)、田頭稔(昭和四〇年二月一六日付)の高松国税局収税官吏に対する各質問てん末書
一、登記官高橋信一作成の被告会社の登記簿謄本
一、昭和三七年六月一八日付被告会社の臨時株主総会議事録
(適条)
被告会社並に被告人池田宏の所為はいずれも判示行為時における法人税法第四八条第一項、第五一条第一項に該当するので被告会社に対してはその所定罰金額の範囲内で、また被告人池田宏に対しては所定刑中懲役刑を選択しその所定刑期の範囲内で夫々主文第一項掲記のとおり量刑処断し、被告人池田宏に対しては情状刑の執行猶予を相当と認め、刑法第二五条第一項によりこの裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予することとして主文のとおり判決する。
(裁判官 谷弓雄)